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Mrs. Little December

なにか考えたり、なにか読んだり、どこかに行ったり。

(4)うつ病と投薬治療――薬に頼らない治療法はない!

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うつ病というワードでAmazon等を検索すると、「クスリを使わず治す」とか、「うつ病は漢方で治る」とか、怪しい書籍をたくさん見かける。自分が飲んでいる薬の効能を検索しようとGoogleに向かっても、「◯◯という薬を処方されたのですが、怖くて飲めません」といった悩みを見かける。忍耐の国であるゆえか、日本人はどうやらあまり薬に頼りたがらない民族なのではないか、と錯覚するくらいだ。うつ病の治療過程において、正しい投薬治療を受けるのは何よりも大切なことである。今回はその理由をご説明したい。

 

今まで投薬治療を避けていた理由

 

このように大々的に投薬治療を薦めるわたしにも、投薬治療に苦手意識を持っていた時期がある。まず第一に、抗うつ剤離脱症状への恐怖が挙げられる。離脱症状というのは、信じられる医師の正しい采配の下、正しく減薬すれば最大限抑えられるものではあるが、ネットなどでは薬を飲まないほうがよい理由として「離脱症状が耐えきれないほど苦しいものであるから」とされることが多い。わたし自身、身の回りに急な断薬を行ったために酷い離脱症状に見舞われた人がいて、正しくない断薬の知識ばかりが募り、結果的に投薬治療を受けない時期が長いことあった。

 

離脱症状も含め、抗うつ剤はたしかに扱いの難しい薬ではある。投薬をするにしても、開始量から治療量まで段階的に投薬量の設定がされており、吐き気などのメジャーな副作用を避けるため、投薬は少しずつ量を増やしていくというのが一般的な治療方法だ。ここで第二の問題として挙げられるのが、「治療量に満たない投薬を『抗うつ剤が効いていない』と錯覚すること」だ。抗うつ剤は一瞬で魔法のように効く薬ではなく、たとえば15mg、20mgと増やしていって、治療量である40mgになってから6週間以上が経過してはじめて、その抗うつ剤が効いているか効いていないかの判断がつく。その判断を待たずして、なんの改善も見られないから、と投薬治療を止めてしまったことが、わたしの2つ目の失敗だった。結局、正しい知識と信頼できる医師の下、再び投薬治療を始めた結果、まずはパニック発作が嘘のように消えてなくなったというのに。

 

投薬治療を再開したきっかけ

 

投薬治療を再開したきっかけは、『パニック障害はここまでわかった』という本を読んだことにある。当時はうつ病よりもパニック障害のほうが重要な問題だったわたしが、はじめて読んだ病気についての本だったのだが、この本にはうつ病にも適用可能な治療のプロセスがわかりやすく解説されている。パニック障害を含む心の病や精神病を患っている人には、「まず投薬治療で症状を落ち着かせること」が推奨される。ひどいうつ状態や、パニック発作で夜も眠れない日々が続いているのに投薬治療を行わないのは、折った足の骨にギプスも当てずに過ごしているようなものなのだ。足を折ったなら、まずはギプスを当て、対処療法として鎮痛剤が処方されるだろう。リハビリが望めるのは足の骨が充分に治癒してからで、まさか折ったそばから折れた足で陸上競技をしようと思う人間などいないはずだ。うつ病パニック障害を患いながら投薬治療を行わないのは、まさに折った足で走ろうとしているようなもので、まずは対処療法として、今その瞬間の辛さを薬で落ち着かせる、これが何よりも肝心なのだ。

 

そして、ある程度効果が見られたら、今度は認知行動療法などのカウンセリングによって、足を折ったときの「リハビリ」に相当する訓練を積み始めることになる。これについてはまた次の記事で触れていきたい。

 

(5)に続く

 

前の記事はこちら:

mrslittledecember.hatenablog.com